「人間は自分の考え方や知識の範囲外のものに出会った時に成長する」と私は思います。
研究者として、そして社会人として、常に成長し続けるためには input を怠らないことが重要であり、その方法として「読書」が有用であることは別記事に示したとおりです。
今回は読書嫌いの私でも、ビジネス書を読み続け、その学びを最大限に日々の仕事において活用するために実践している方法をご紹介します。
目次
初めから終わりまで全て読む必要はない。論文と同様に「斜め読み」で目的の情報を得る
私は本を読むことが嫌いなので、なるべく労力やストレスをかけず、効率よくビジネス書から学びを得るための方法を模索していました。
その中で出会った方法が「レバレッジリーディング」です。
この本では、論文を読む際の所謂「斜め読み」をビジネス書で実施する事を勧めています。
研究者が論文から「特定の情報を得る」という目的を持つ際に、まず Figure と Figure legend をざっと目を通し、詳しく知りたい情報がありそうな部分について、対応する本文を読みます。
これと全く同じ事をビジネス書を読む時に実践します。
私がビジネス書を読む目的は基本的に「仕事や研究に活かすことのできる考え方や知識を手に入れること」です。
当然、本によって目的は少しずつ変わりますが、大枠はこれです。
その目的をきちんと頭に入れておき、ビジネス書を右から左へ「ざっと」読んでいきます。
感覚的には、文章を目でなぞっていくイメージです。
その中で自分の知りたい情報がある時に、目的意識さえちゃんと持っておけば不思議と関係のあるセンテンスを見つけることができます。
自分の感覚や直感に引っかかった部分はラインやマーカーを引いたり、ページの端に折り目をつけておきましょう。
自分に必要な情報さえ得ることができれば良いという感覚でどんどん読んでいき、マーカーを引いていく意識です。
本は綺麗に読んでいくのではなく、折り目やマーカーを付けて物理的には汚していくイメージです。
線を引くとこで頭の中に記憶しやすくなるため、この作業は非常に大切です。
マーカーを引いたセンテンスを纏めてたノートを持ち歩き、隙間時間で見返す
気になるページに記しやラインを引くだけでも学習効果はありますが、人間の記憶力ではこれらの学びは短期的なものになってしまいます。
ビジネス書を読む目的は自己成長のためですので、手に入れた学び(Input)を実践(Output)していかなければ成長は全く見込めません。
本からの学びを Output へ繋げるために、まとめノートを作成して持ち歩くようにします。
1冊ビジネス書を読み終わったら、ラインを引いたり、印をつけた箇所をポケットサイズのまとめノートに書き込んでいきます。
そのまとめノートは日頃使用しているカバンやジャケットに入れて持ち歩きます。
次のミーティングまでの待ち時間など少し時間が空いた時にまとめノートを見返し、読んだ内容を思い出してできる限り、仕事の中で実践できるように繋げられるようにしています。
以上がレバレッジリーディングとその活用方法であり、この方法を取り入れて4年程経ちますが、振り返るとかなり成長してこられたなと感じます。
しかしながら、ビジネス書とマーカーを持って読み進めることや、マニュアルでまとめノートを作ることは、かなり煩わしいことを私は知っています。
このレバレッジリーディングをできる限りストレスなく実践する方法を模索していた時に、Kindle の有用性に気が付きました。
「Kindle」はレバレッジリーディングに最適な読書ツール
私は就寝時の入眠促進のために寝転んで本を読むことが多いのですが、紙の本ではマーカーが使いにくいだけでなく、ページが捲りにくかったり、明かりの位置調節にも不便さがありました。
それらを改善するために電子書籍である Kindle を導入しました。
導入当初は電子書籍に抵抗感がありましたが、今では Kindle でないと本は読みたくないと思うほどになりました。
まず、ページ切り替えはタップするだけなので片手で持つだけで読むことができます。
バックライトがついているので、寝る前の暗い中でも読むことができます。(視力は悪くなるかもしれませんが、、、)
また、紙の本では保管スペースが必要になりますが、Kindle は場所を取らず、購入したすべての本をいつでも持ち運ぶことができます。
1冊あたりの値段も単行本に比べて、Kindle バージョンは安く設定されているだけでなく、ポイント還元率も高いことが多いです。
更に、レバレッジリーディングを実践する際に Kindle は非常に優秀な読書ツールになります。
当然、電子書籍上でマーカーやページのブックマークが可能で、あとから該当箇所だけ読み返すことも可能です。
また、分からない単語などがあっても Kindle 上で直ぐに調べることができます。
この機能は使用していてかなり便利な機能でした。
更に、最重要な機能として、マーカーを引いた箇所を Excel や PDF として出力することができます。
そのファイルをスマホに入れておくことで、隙間時間に容易に見返すことができ、ビジネス書から得た知識を日々の仕事や研究に反映しやすい環境を整えることができます。
私は 1 ~ 2 週間におよそ1冊のペースでビジネス書を読んでおり、最近では研究以外のトピックの本も読むようにしています。
また、自分にとってあまり利益のないと感じた本は途中で読むのを止めて、次の本を読み始めます。
そのサイクルを回す上でコスト的に Kindle で提供されている本の読み放題プラン「Kindle Unlimited」はすごく重宝しています。
ただし、研究に直接関係する書籍の登録は少ない印象です。
もし、私のように研究以外の内容(例えばチームマネジメントなど)に興味があれば、コストの面で一考の価値はあると思います。
時間がない、本を読むことがどうしても嫌なら「flier」がおすすめ
frier はビジネス書の要点を 2 ~ 3 ページに纏めたものを読むことのできるサービスです。
私自身、博士課程在学中に論文投稿の準備で読書の時間がなかなか取れない時でもビジネス書からの学びを得たいと思い、利用していました。
朝のコーヒーを飲んでいる間の 5 分だけで 1 冊分のビジネス書の知識を得ることができるので非常に重宝していました。
ビジネス書に抵抗感がある学生や忙しさで余裕がない研究員はここから始めてみるのも手だと思います。
これを平日だけでも続けるとかなりの自己成長になると確信しています。
学生は割引が使えるので、是非こちらから登録してください。
Audible は通勤時間を良質な input の時間に変える
私は社会人になってから車通勤をするようになり、通勤時間の往復だけでもそこそこの時間があることに勿体無さを感じていました。
この時間をただ音楽を聴く時間でなく、自己研鑽に使うことができないか考えた時に、Audibleの導入を決めました。
最初はビジネス書を聴くなんてことが本当にできるのか?とかなりの抵抗感がありました。
しかし、実際試してみるとレバレッジリーディング同様、自分が目的意識さえ持っていれば記憶に残るポイントが拾えることがわかりました。
Audible ではマーカーの代わりに、気になったポイントでブックマークを設定することができ、後でその部分だけ再生することができます。
また、私にとって嬉しかったのは、Audibleのアプリに、操作が簡略化されたドライブモードがあることです。
運転中でも気になったポイントにワンタップでブックマークをつけることができ、帰宅後に振り返ることができます。
私の場合、Audibleでは仕事とは直接関係ないけれど、自分の興味ある領域の本(たとえば政治経済)を中心に聴いており、読書するよりも気楽に知識を広げることに役立っています。
最後に
人生の悩みの大半は本を読むことで解決できると言われています。
先人のたちの成功体験や失敗の経験から得られる貴重な学びが、1000 円前後のビジネス書から得られることを鑑みると、読書をしなければ損をすると感じませんか?
今からでも読書を自己研鑽として始めれば、必ず大きなリターンを得られると思います。
この記事がその後押しになることを祈っています。
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