近年、様々な場面で英語力を問われることが多くなってきました。
特に、就職活動では海外展開をしている企業ほど、就活生に英語力を求める傾向が強いと感じます。
製薬会社もその例に漏れず、特に武田薬品工業では研究職の採用において実務レベルでの英語力を採用基準として明示しています。
英語力を測る客観的な指標として、日本では TOEIC Listening and Reading が汎用されています。
TOEIC は対策もせずに挑むと多くの場合、本来の実力以下の点数を取ることになってしまいます。
裏を返せば、きちんと対策をして臨むことで、実力以上の点数を獲得することが可能です。
その意味で企業の採用側も TOEIC の点数は「英語力を推し量る」ためだけでなく、「努力できる人であるか」の判断基準にすることが多いです。
私は学部時代、英語で留年しかけるほど苦手でした。
そんな私が学部 3 年次に受験した TOEIC の点数は 630 点でした。
私は就活だけでなく、一貫制博士課程の卒業要件のためにも TOEIC の点数が必要でした。
そのため、多忙な研究生活の隙間時間でコツコツ TOEIC の勉強を継続し、半年の対策期間で TOIEC 875 点を獲得することができました。
英語が苦手、かつ研究の隙間時間の勉強のみで 860 点越えを達成できたため、皆様でも努力次第で再現可能な点数だと思います。
今回はその具体的な勉強方法をシェアしたいと思います。
目次
目標を設定する
研究と一緒で、目標がなくては方針が決められませんので、どのくらいの点数が欲しいか考えてみましょう。
TOEIC 公式ホームページを参照すると、テストの平均点は約 600 点です。
従って、TOEIC の点数で人並みを目指す場合は600点を目指すことになります。
一方で、TOEIC の点数で他の就活生と差別化を図ろうとすると、多くの企業で海外赴任の基準とされる 730 点以上が必要ということになります。
これらの情報を基にまずは目標点数を決めましょう。
私の場合は卒業のために 860 点が必要であったため、これを目標点数としました。
使用する教材を極限まで絞る
最短で結果を出すためには、数個の質の良い教材に絞って、それを信じて反復学習を継続することが必要です。
複数の教材に手を出すと、一つひとつの理解が浅くなるだけでなく、復習する時間が取れず、身に付かないことに繋がります。
大学受験の経験からも共感できる方が多いのではないでしょうか。
私の教材と勉強法は非常にシンプルです。
TOEIC テスト特有の対策から単語の暗記に至るまで、スタディサプリ English (スタサプ)のみを使用しました。
更に、実際の TOEIC テストへの慣れ(特にリスニングパート)と実力の測定のために、TOEIC 公式問題集 1 冊を使用しました。
以上の 2 点の教材のみを半年間、隙間時間を見つけては繰り返し勉強しました。
少なすぎると思われる方もいるかもしれませんが、研究生活の傍で勉強を継続するには、これくらい教材を絞って繰り返す方が、効率的にも心理的にも良いと考えました。
具体的な勉強方法をシェアしていきますね。
隙間時間を捻出してスタサプをねじ込む
私を含めて、実験科学系の研究をしている学生は朝から晩まで研究室に居る人が多いと思います。
特に、博士課程の学生は論文を投稿しなければならないプレッシャーもあり、実験を詰めたスケジュールであろうと思います。
私も TOEIC の勉強をしていたのは論文投稿前で、Key データを取らなければならない大事な時期でした。
そのような研究生活の中でも5分程度の隙間時間は複数を見つけることができると思います。
例えば、遠心待ちの5分や、反応待ちの 30 分から 2 時間の待ち時間はあると思います。
当然実験内容によっては次の操作の準備などはあると思いますが、全ての時間が埋まっているわけではないと思います。
2 時間待ちの反応であれば普段は論文を読む他、食事やコーヒーを飲んでいたりするでしょうか。
人によってはラボのメンバーと議論をするかもしれません。
それでも全ての隙間時間が埋まっているわけではないと思います。
そういった5-10 分程度の隙間時間を出来る限りスタサプに充てるようにしましょう。
後ほど紹介しますが、スタサプの講座は一コマあたり 5-10 分程度です。
単語や熟語は一コマ 3 分程度でもっと短いです。
スマホを使って気軽に講座へアクセスできるので、ラボに行く前の数分であったり、食事をとっている間、湯船に浸かっている間もスタサプで勉強することができます。
このようにしてスタサプの一コマを進めることができる隙間時間を探していきましょう。
研究で忙しいを言い訳にしていると、一生何も出来るようになりません。
目標を決めたならば、それを達成するために出来ることをコツコツやっていきましょう。
スタサプは 5 分の隙間時間で十分な学習効果がある
TOEIC は 4 つのリスニングパートと 3 つのリーディングパートで構成されています。
TOEIC はセンター試験における英語の様に、各パートに頻出の問題形式や癖があります。
そのようなTOEIC特有の対策を積めるのが、パーフェクト講義になります。
実際にリスニングパートの講座を開いてみると、例題・例題講義・ディクテーション・シャドーイングの 4 つの構成になっています。
リスニングの例題をやってみると、このようにスマホに最適化された問題が示されます。
その問題の解説は、文章によるものだけでなく関先生の講義で背景知識などを含めて解説して頂けます。
講義では解いた例題の解説だけでなく、この例題に類似した問題の考え方の根本や、覚えておくべき頻出のポイント、TOEIC特有の問題の形式についても教えてもらえます。
関先生の説明は基本的に 5 分以下であり、内容が纏まっているため非常にわかりやすく、隙間時間の勉強でも充分に理解することができるようになっています。
スタサプのリスニング対策は実際の英会話の力にもなる
問題の解説が終わると、次は復習パートとしてディクテーションとシャドーイングをします。
この2つの学習が心理的に抵抗感なくできる点がスタサプの最も優れた点だと思います。
私は英語の中でも特にリスニングが苦手でしたが、このディクテーションとシャドーイングを継続したことで飛躍的にリスニングができるようになりました。
学会や海外旅行で実際に英語で会話する時にも、TOEIC対策で得たリスニング力は役立っています。
ディクテーションは英文の朗読を聞いて、その内容を実際に書き出すことで、聞き取れなかった音や発音を見つける勉強法です。
この勉強法は、自分自身でやろうとすると、紙に書き出す手間やスペースの確保、音声を何度も巻き戻し、答え合わせのためのスクリプトと見比べるなどの多大な手間があり、学習効果が高いが手間がかかり、心理的な抵抗が大きいことが問題でした。
しかし、スタサプではこの勉強法をスマホで、しかも数分で完結することができます。
一方で、シャドーイングは英文の朗読を聞き取ってすぐに同じ英文を発話することで、英会話の速さやリズム、発音を覚えることができます。
これも、自分でやろうとすると音声の巻き戻しや録音することの抵抗感などの葛藤がありますが、スタサプでは簡単にできるように設計されています。
このように学習効果の高い勉強法を心理的な抵抗感なく簡単にできるようにした点が素晴らしい教材になっています。
リーディングも音読学習がしやすく、読解スピードを向上できる
リーディングパートの対策も非常に優秀で、スマホで簡単に学習できるように設計してあります。
特に、速読の訓練として有用な音読が手軽にかつ効率よくできる点が優れていると思います。
私の経験として、時間内にリーディングパートを全て読み切ることができるようになると、800 点台を獲得できるようになると思います。
読むスピードを向上させる訓練を積むことによって TOIEC のリーディングパートを時間内に終える力をつけることができます。
しかし、長文の対策では少し注意が必要です。
スマホだと例題の文章全体が表示できないので、読みにくさを感じる人がいるかもしれません。
私の場合は長文パートの対策は出来る限りノート PC や iPad で行っていました。
画面が広くなることで長文対策もスタサプでストレスなくできます。
土日は公式問題集で実際の TOEIC テストに慣れる
土日もラボに行く大学院生は多いと思いますが、それでも全く纏まった時間が取れないことは少ないと思います。
3 時間程度時間が取れれば TOEIC 公式問題集の答え合わせまでできます。
毎週でなくとも、TOEIC 対策をまとめて実施する時間を設けられるようにスケジュールを工夫しましょう。
TOEIC 公式問題集は名前の通り、TOEIC テストを作成している会社自身が販売しています。
それ故、本番のテストと同等の問題の質や傾向、癖を対策をするためにメリットが多い教材です。
更に、リスニングパートにおける英文の朗読は、実際に TOEIC テストで読み上げられる音声と同じ読み手で問題が作成されています。
この教材でまずは一通り本番と同様に解いてみましょう。
大抵の場合、リーディングパートは時間が足りなくなることを体感できると思います。
前述の通り、時間内にリーディングパートを全て読み切ることができるようになると、800 点台を獲得できるようになります。
そのために、1 番大切なことがテストの復習を繰り返すことです。
復習方法としてはスタサプに倣うのが 1 番学習効率が良いと思います。
つまり、リスニングパートはディクテーションとシャドーイング、リーディングパートは音読を何周も行います。
実際、ディクテーションと音読は机に座ってやらざるおえないかもしれませんが、シャドーイングは通学中やランニングしながらでもできるため、私はそのような「ながら勉強法」でシャドーイングは継続していました。
また余談ですが、本番の TOEIC の試験会場は広い上に人が多く、普段研究室に籠もっている身としては集中しづらい環境であることが多いと思います。
私自身そう言った環境が苦手なこともあって、土日の TOEIC 公式問題集を使用する勉強の時はあえてカフェに赴いて、騒がしい中でもリスニングやリーディングができるように対策をしていました。
土日とはいえ研究の傍らで公式問題集を 2-3 冊以上やることは復習により得られる学習効果が薄れると判断し、私は 1 冊のみ公式問題集を購入し、半年間の間で苦手な問題を中心に、同じ問題を何度もディクテーション、シャドーイング、音読を繰り返しました。
実際私はこの勉強法を半年間継続し、TOEIC テストを 2 回受験しました。1 回目は本番の会場でのリスニングの聞き取りづらさに面をくらい、805 点でしたが、1 ヶ月後の再受験で 865 点を獲得し、目標の点数に到達することができました。
十分な学習と対策を講じていれば、2, 3 回受験を連続して受ければ目標点を得られる可能性があるため、短期集中で対策を講じ、一気にテストを受けることも必要だと思います。
最後に
TOEIC は英語の得意、不得意で点数が決まるのではなく、努力の量が点数に反映されるのだと自身の経験を持って言えます。
研究生活の傍で英語の勉強をするのは確かに大変ですが、その努力の先に得られるものは大きいと思います。
皆様の健闘をお祈りしています。
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